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手術数が減少しても黒字化する方法:第1話


2003/07/16 
株式会社 サイプレス 
代表取締役 伊藤雅教 


病院運営実態分析調査の2002年6月の報告を見ると、最近数年間の手術数は病床の規模に関わらず減少しており、特に02年は前年に比べて著しく低下している。急性期病院でも手術数が減少し、減収に陥る病院が多く見受けられる。

そこで手術部門の黒字化のポイントを記してみたい。当然ながら、いかに安全で短時間で効率的に手術を実施できるかが必要である。改善が実施されていない病院の場合、手術室が手術のために利用されていない比率は50〜75%であった。海外の病院では28〜34%である。改善をした国内の病院では、この比率が21%まで下がり、手術を実施できるキャパシティーは2〜3倍に拡大し、収入面でも数億円の効果が出る。

改善のためには、手術の予約がどの程度正確に実施されているか、スケジューリングを調べてみるとよい。どの程度患者が予定時間どおりに入室し、退出しているのかを把握すると、いかにずさんな計画だったかが分かる。予定通りに手術が実施されなければ、その間の収入はなく、人件費などのコストのみが発生する。予定が延びれば残業代などの余分なコストも発生してしまう。

日本の病院では、外科医も外来業務を行うという理由で、午前中の手術が極めて少ない場合が多い。しかしながら看護師も麻酔も助手も朝から待機しており、コストが発生している。

そこで第一に、午前中の最初の手術予定で実際に予定時刻に開始されたかどうかを確認してみると良い。本来あるべき姿は最初の手術であれば、予定の変更の可能性は限りなく少なく、100%近い確率で予定時刻(±15分以内)に開始されるべきで、80%以下ならばずさんな状況と言えるであろう。患者の様態が著しく異なるために手術が開始されないのは仕方ないが、外科医、麻酔医、看護師の用意ができずに開始が遅れたという理由が非常に多い。

ちなみにセブンイレブンでは、売り切れによる売上機会の損失をなくすために、物流では1日数回の配送を実施している。少なくとも顧客が欲しいものを欲しいときに提供できるようなプロセスが組み立てられている。

それでは、どのようなプロセスに分解し状況を分析し改善につなげるのかを記してみたい。患者の入室から退室までの時間短縮のためには、次の5つのプロセスについて改善策を検討することが必要になる。

・患者入室時間から麻酔開始時間までの短縮
 術前評価、麻酔システム、どのようにして患者の入室が実施されるかを見てみると良い。
・麻酔開始時間から手術開始時間までの短縮
 手術情報、スケジューリング、執刀医と麻酔医のプロトコール、看護チームや手術材料の
 準備方法を再検討する。
・手術時間の短縮
 一番困難だと考えられるが、その改善には、同じ術式で執刀医別に手術時間を比較したデータを示すと、
 外科医同士で術式の手順、器械出し手順の変更などの検討で手術時間が短縮されていく。
・手術終了時間から麻酔終了時間までの短縮/麻酔終了時間から患者退出時間の短縮
 どのような手順が、どのような目的と理由で設定されているかを確認してみると改善のポイントが
 自ずと浮かび上がってくる。
 データや臨床上の優位性などの理由ではなく、慣習として実施していることが意外と多い。

最後に患者が退出してから次の手術までの準備としては、手術終了情報の連絡、清掃、消毒などをいかに短時間で実施できるようにしているかが鍵となる。それぞれの工程時間を測定すると、改善意欲が高められる。

このようなプロセスの見直しによる改善効果は、たとえば、勤務時間内の手術室の利用率が80%を超えるかどうか、最初の手術の開始確率が95%以上であるか、一症例の予定時間の精度が80%以上に改善できているかなどを測定することで確認する。更なる黒字化の改善方法は第2話以降に譲りたい。

株式会社日本医療企画 発行 「Phase3」 2003年9月号より転載

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